。。。。。。。。。。。。特注ケーキのご紹介

初めてご依頼主にお会いした時
どこか懐かしい気持ちになった。

もう何年も昔、
異国で同じエネルギーを持つ人達に
私は囲まれていた

確固たる信念と
圧倒的な情熱と
真っ直ぐ注がれる澄んだエネルギーは
人々を巻き込み
さらに大きな力へと進化していくもので
当時の自分が
経験も知識も及ばず
そのエネルギーの重圧に
ただただ
弾き飛ばされないよう
踏ん張るのが精一杯だったのを思い出す
自分の未熟さと向き合いながら

今、その種のエネルギーはむしろ心地が良く
中に飛び込んで
挑もうとする自分がいる

彼の扱う素材は
彼でなければその価値を正確に伝えることはできないけれど
唯一無二であることは間違いなく
力強く優しい。

それはさておき
ご依頼はご友人のお誕生日ケーキをおまかせで…との事だった。

ジャングルの奥に咲く野生の花は
もしかしたら真っ白なのかもしれないと
その未知の花の蜜の香りを想像しながら
絵を描くように
ラフランスを並べていく。
珍しく、
最後の「味」のピースをご依頼主に託したのも
彼と、彼の扱う素材への信頼をこめて
「それを纏わせてこそ完成するケーキ」を
作ろうと思ったからだ。

余談だが、早ければ来年早々
その素材のエネルギーと熱い思いを
デザートコースでお客様にお伝えできるかもしれない。
素材に恥じない
納得のいくものを
私が生み出すことが出来たらの話だけれども

……と、
自分にプレッシャーをかけてみた。